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●極上和本YM4698●かねもうかる（の）伝受（2種）脇坂義堂作下河辺拾水画石門心学

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商品情報

■かねもうかる（の）伝受（2種）

【判型】半紙本2巻1冊。縦224・222粍。

【作者】脇坂義堂作。下河辺拾水画。

【年代等】寛政10年春初刊。文政7年春求板。［京都］山城屋佐兵衛（藤井文政堂）求板。

【備考】分類「心学」。文政7年板2巻1冊本と後印本下巻1冊の2種。『かねもうかる（の）伝受』は、ある翁が安楽伝授、開運出世伝授、銀(カネ)もうくる伝授をするというので大勢の聴衆が詰めかけ、儲けの秘訣をめぐる翁との問答形式で人道を諭した心学書。まず上巻では、庄屋の四ッ兵衛が前に出て、金を儲ける伝授が世の人の嫌う理由について訪ねると、翁はかつて紅毛国(オランダコク)を訪問した時に、カネモウカルという薬を売る家の隣にカネノウナル（金無うなる）という薬を売る家があったと言う。カネモウカル薬は飲めば次第に富貴になる良薬だが、年々廃れて買いに来る人も稀になった。一方、カネノウナル薬は服薬するとたちまち貧窮難儀になる毒薬だったが年々繁昌した。不審に思った翁は店を訪ねて事情を聞くと、カネモウカルの薬方は倹約・堪忍・家業出精・正直・知足・実義の六味に柔和・謙遜・気量・発明の四味にさらに慈悲を加えて煎じた良薬だが誰も用いず、隣家のカネノウナル薬の薬方は美食・色欲・遊芸・遊所・奢・潜上・名聞・我慢（強情）・諸勝負・殺生好き・喧嘩口論・不忠・不孝・家内不和合・諫言嫌い・気随・身勝手・不実情・吝嗇・無慈悲・奸佞・邪曲・不敬・残虐・虚言・諂諛(てんゆ)の二四味を常に酒浸しにし、本性がなきを加え、無分別・不養生・短気・無方・惰弱・不算用の六味を加味して煎じたもので、口当たりが良く、身も楽になるような気がするが、実際はジリジリと薬毒が染み渡り、大病・必死・難渋の病となるのに、誰もが食いつくという。以下、このような問答における寓話を通して、朱に交われば赤くなること、小欲と知足安分、質素倹約、わずかな利益は金銀の大切さを痛感させ、無駄遣いや油断を無くすため大きな富をなすことを諭し、丁稚奉公に出る子供の心得として「楽書(らくがき)や犬かみあわせ溝なぶり物をおとすなものをとられな」以下22首の教訓歌を掲げる。また下巻でも盲動形式で、無念無想に稼げば諸事悪くはならないこと、恋の心ある人は人情をよく知る故に人にもよく愛されることなどを諭し、最後を「一孝立(タチ)て万善の長者となりて子孫長久繁栄也。是がすぐにカネモウカルの効能にて、開運出世の伝受なれば、夢にも孝行怠たるな」と結ぶ。

★原表紙にて2巻を1冊に合本・題簽付・状態良好。【参考価格（初出品時の相場）：日本の古本屋で、2巻2冊揃いが、27,500円】。

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